【その2】オルガンの種類
オルガンをもっと分かりやすく説明できる記事を書いています。
今回は、第二回目で、オルガンの種類です。
前回の記事は、こちら。
音楽の歴史は、好きな人には、面白いのですが、歴史の勉強は、本当に眠くなります。
私は、歴史の授業の時は、いつも写真を食い入るように眺めて、教科書に落書きをして、終わりました。
ここでは、言いたくありませんが、日本の学校の授業ほど、無意味なものは、ありません。
学歴が欲しくて、頭のいい大学に入ったとしても、無意味なつめ込み教育を受けるほど、時間が無駄だと、確信しています。
だからこそ、経験!体験!知らないことをやってみることを、お勧めします。
このブログの読者さんも、本物のオルガンを見て触って弾いてみて、自分で理解・納得できる体験ができることを、願っています。
オルガンのざっくりとした歴史
だから、眠くならない程度に、音楽の歴史を箇条書きで書きます。
- 13、14世紀ごろ、ゴシック
- 15、16世紀ごろ、ルネッサンス
- 17、18世紀ごろ、バロック
- 19世紀ごろ、ロマンティック
国や、地方によって音楽の在り方が違ったので、その地域によって独特な発達の仕方もありました。
例えば、フランスは、
14~18世紀までの音楽を、クラシックとして
フランス革命後の音楽を、ロマンティックとしています。
それでは、どんなオルガンがあったのでしょうか。
ポルタティフ・オルガン
携帯用のオルガンです。
写真は、羽の生えた天使さんが弾いていますが、罪深い人間がそれを弾いていたと想像します(爆)
肩からかけたり、ひざの上においたりして、左手で送風して、右手で鍵盤を弾きます。アコーディオンみたいな、楽器だったと思います。
しかし、このオルガンは、壊れやすく、操作が難しかったので、17世紀ころに、姿を消したそうです。
和声を演奏するのが、目的の一つでした。
和声とは、ギターコードのようなものです。
讃美歌も、そうです。一つのメロディ(ソプラノ)につき、アルト、テノール、バスと、付いてきます。
そんな和声を弾いた、ポルタティフ。
相当な重さだったと想像しますが、教会の合唱の入場行進、前奏や伴奏、世俗的な音楽演奏や舞踏曲などにも、使われました。
奏者さん、お疲れ様です。
ポジティフ・オルガン
持ち運びできない「置かれるオルガン」です。
ちなみに、私の夫も作成しています。
現代では、移動式のオルガンをポジティフと、呼んでいますが、これ移動するにもね、大変なのですよ。
大男2人か3人といないといけない。
しかも、動かすごとに、音がくるっちゃうし、動かさなくても暖房や湿度でも、変わっちゃう。
私のダンナさんは、忍耐をもって(?)調律していますが、本当のところ、「このやろう」と、思ってます(爆)。
さて、このポジティフの特徴です。
「ふいご」を動かす補助者が必要になります。
種類は、下記写真のように、テーブルや三脚台に置かれるように造られた(テーブルポジティフ)
市民の大きな家の広間や、小さな礼拝堂に置かれたり、街の広場や劇場のオーケストラ席に持ち出されたりしました。
世俗音楽(教会音楽以外の音楽)で使われることが多く、これで歌ったり踊ったりしたようです。(14世紀ころが全盛)
次は、脚付きポジティフです。
重すぎなので、簡単に動かせないのが特徴です。
貴族の広間に置かれたりしたので、たとえ彼らが弾けなくても、美しい装飾で大きな家具としてその存在を誇りました。
貴婦人好みの音楽にふさわしい音がでるそうです。(どんな音???)私では、とうてい聴けない音なのでしょう(笑)
大オルガン
いよいよ来ました!大きなオルガンです。
13世紀ころから、ゴシック建築と称された大聖堂が建造され始めました。
この大空間では、ポルタティフやポジティフでは、もはや十分に音楽の表現がおいつかなくなり、音楽家や製作者たちは、これに合わせる形を考えていきました。
大オルガンは、国によっても呼び名が違います。
14世紀ごろから、ヨーロッパ各地において発達し、現代のオルガンの歴史の始まりとなりました。
イタリアは、特に19世紀ごろまで、この大オルガンのままで製作され続け(さすが職人の国)、この大オルガンの鍵盤しかない楽器が多く見られるようです。
写真をみるかぎり、タンスみたいなケースの中に、パイプがアートのように並んでいますね。現代もイタリアのオルガンといえば、こんな感じのスタイルなのです。
ちなみに、夫はドイツ人ですが、イタリアのようなタンススタイルのオルガンは、作っていません!
こんな感じの作品があります。
もう○○年前の話ですが、今でもドイツで、鳴り響いているオルガンです。
大オルガンのミクスチュア
14世紀ころから、ゴシックオルガンの製作者は、ミクスチュア(音の混合)を開発していきます。
各パイプに、倍音をつけたのです。
倍音とは、ドの音に、それから2つ目や3つ目、4つ目、5つ目などの音のことです。
ドと一緒に、レやミ、ファやソが、なるのです。
ややこしい!でも、聴くときれいに聞こえますよ。
エネルギッシュな音になり、さらにパイプの数も増えていきました。
そして、いろいろな音色が増え、ストップ装置が設置されるようになったのですね。
それは、また次回にお話します。
まとめ
言葉だけで歴史を学ぶと、分かりにくいけれど、写真や自分の意見もつけることで、歴史も楽しく学べます。
歴史の古い楽器だからこそ、オルガンが出来上がるまでに、相当な労力と、果てしない知恵が、入り込んでいます。
しかし、神様への賛美を思うとき、結局オルガンも、罪深い私たちの賛美の源であり、大音量でさえも、人間の罪を払拭することはできない楽器です。
砕かれた魂と心によって、オルガンを鳴らすときに、赦しの恵みの中で、賛美をささげることができるのです。
結局、教会でも大衆音楽でも、中心にいる神様を見つめないかぎり、洗脳装置になりかねないと思うのです。
オルガンが、決して悪魔を呼び込む音楽と楽器になってはいけないのです。
オルガンは、値段の高い楽器、貴族だけの楽器ではなく、自分の心に寄り添う音が出る楽器だと思うときに、神様の祝福が歴史と共に歩んできた証拠を目の当たりにし、オルガンビルダーと音楽家は、その証人であると、思うのです。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
神様の尊い祝福が、皆様の上にありますように。
次回もお楽しみに!